もんしち
千葉県茂原市高師825
TEL0475-22-3915
今回のオヤジ飲みツアーは、東京を飛び出して千葉県である。オヤジの趣味といえば、なんといってもゴルフだろう。茂原駅前にある「もんしち」は、そんなオヤジゴルファーが通い詰める名店なのである。
駅前の大通りから、ひょいと入ったところにたたずむ古民家。聞けば、260年前の江戸中期に建てられた家屋を改装し、お店にしたのだとか。
「どこから移築したのですか?」という問いに、「いえ、この場所にずっとあった家で、私が子供の頃はここに住んでいたんですよ」と言うのは、オーナーの林紀子さん。うら若き美女であるが、利き酒師と焼酎アドバイザーの資格を持つ。
そのため、お酒は大充実。焼酎17種、日本酒20種がそろっている。パッとメニューを見て驚かされるのは、メジャーな酒に混じって、けっこうマニアックな酒も入っていること。「むむ、おぬしできるな」という感じである。
素晴らしいのはそのほかに、千葉の地酒が7種類もあることだ。やっぱり千葉に来たら、千葉の酒が飲みたい。そんな呑兵衛たちも納得の、ニクい品揃えなのである。
料理には、外房の地魚がふんだんに使われている。しかも、大原漁港からセリで落とされた地魚が直送されてくるので、中間マージンがなく安い。新鮮な魚が東京の半額で食べられるとあって、最近めっきり肉を食べなくなり、「肉より魚」のオヤジたちには絶大な支持を受けているのだ。
刺身の盛り合わせは、その日とれた魚により内容が変わる。この日はイシダイやホウボウ、サワラなど。もちろん、千葉名物の「なめろう」も一緒に盛られている。「なめろう」を焼いた「さんが焼き」もあり、どちらも旨い。
「今日は串焼きもありますよ」と林さんにすすめられ、クロダイの白子とヒラメとマダイのキモを焼いた串焼きを注文。これが激ウマ!とくにキモは、ほどよい苦みがあって酒がすすむ。
そして本日のメイン、「雑魚の唐揚げ」が登場。セグロイワシを素揚げしたものなのだが、涙が出るほど旨く、「雑魚」というにはあまりにももったいない逸品だ。〆は、イワシの「つみれ汁」。イワシのダシがよく出ていて最高だ。汁物と酒は相性が良く、またしても酒がすすんでしまう。
地元の人にとっては、ハレの日のごちそうを食べる店なのだが、都内から来るゴルフ帰りの客にとっては、安くて旨い店として定着し、10年来のリピーターもいるそうだ。この店に来るために、わざわざ千葉でゴルフをするという、本末転倒?な客もいるらしい。
コース料理や個室もあるので、ゴルフコンペのパーティーにも使える「もんしち」。さあ、次回のゴルフは千葉へ行きますか。